Flaneur-フラヌール-

50代からのSecond Life

誕生日

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11月12日。毎年、誕生日のプレゼントを贈っている方がいます。
全国に店舗を持つ大きな会社の経営者で、細うで繁盛期を地でいくような女性で、今年、84歳になりました。
しかし今年は、私の業績は惨憺たるもので、国の月次支援金に助けられる生活。プレゼントを買うことも躊躇していました。贈り物は気持ちが大事とはいえ、大きな会社の経営者ですから、やはりそれなりのものを選ばなければなりません。
誕生日まであと1週間という朝、妻に相談しました。妻の誕生日にはケーキ程度で済ませているのに何で?という思いもあるだろうな、と考えていましたが、妻は「それは何か考えなきゃね、予算はどれくらい?」と言って、携帯で検索し始めました。
しばらくして、「これなんかどうかなぁ」というと、携帯の画面を私に見せて、フェイラーのポーチやシャネルのハンドクリームなどいくつか教えてくれたのです。早速、その日の午後、百貨店に一緒に行って選んでくれました。最終的に、いいものは持ってらっしゃるだろうし、さりげなく使ってもらえたらと思い、シャネルのハンドクリームとリップのセットにしました。自分で使ってもいいし、ご家族にお譲りいただいてもいいだろうし。

当日、プレゼントを持って、お祝いを伝えました。途中から、どんどん話は展開し、私の知人である画家の先生に絵を頼みたいことや、来年に向けて考えてほしいことがあるなど、いつものことながら、どんどんおばあさんのペースで話は進み、どんどん、どんどん引き込まれてしまいました。

家に帰って、妻に一部始終、話をすると、おもしろそうに聞いてくれて、「よかったね」と言ってくれました。それから、何か身体の中からワクワクしたものが湧いてくるのを感じています。その日から、自分の中で何かが動き出したような、おばあさんにとても元気をもらったような。来年はきっといい年にしよう。吹っ切れた何かを感じました。