Flaneur-フラヌール-

50代からのSecond Life

ともあり遠方より来る

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遠い街から、友人が訪ねて来てくれました。
彼とは、かれこれ十数年の付き合いになります。
以前勤めていた会社で、中途採用の彼は、転勤で仙台にやってきました。
私とは同い年で、よくいっしょに仕事をしました。
彼のアイデアで、今までやろうと思ってもできなかった仕事やスケールの大きな案件に挑戦したり
大変だったけど充実した日々でした。

 

コロナ感染がやや落ち着いている年末。
また動きが取れなくなるその前に、帰省をしたり、友人たちと過ごそうとする人で
街はあふれかえっていました。
人混みを抜けて予約をいれておいた居酒屋で落ち合いました。

 

ビールで乾杯し、近況について話しました。
会社の理不尽さを嘆いていましたが、
今年一年は納得のいく仕事ができてよかったと言ってくれたのでホッとしました。
2年ぐらい前に会いに来てくれたときには、とても疲弊していました。
しばらくはLINEで会社を嘆くメッセージが届いていましたが、
ようやくそこを抜けて、自分のやるべきこととやりたいことが
ひとつになってきたのだなと感じました。

 

会社は、自分がそこに所属していないと表面的なところしかわかりませんし
中にいると、それが当たり前のように感じてしまいがちです。
人間関係や評価制度、古くからの慣習など、離れて冷静になるとおかしなところに気がつきます。
そこにいくら悩んだり抗っても徒労になることが多いものです。
嫌なら辞めるという選択もあるのです。
それでも私たちは、広告という仕事があり、
お客さまに喜んでもらうこと、新しいことに挑戦すること、
いいものを創ることという機会が与えられていたのは幸運なことでした。
やりがいがあることで苦しい先に喜びが待っているという希望に随分助けられていたのだと思います。

 

彼からは、今携わっている映像製作のプレゼンテーションやスタッフィング、
スタッフ間のコミュニケーションの取り方など興味深い話を聞くことができました。
東京で活躍している人や田舎に移り住んでいるスタッフたちと
場所は離れていても、日々、ZOOMやLINEでやりとりをしていること、
映像やコピーライティングの考え方、こだわり、コンセプトの大切さはとても参考になりました。

 

共感を作り出すということについて、
「おもしろい、楽しい、美味しい、エロい」が大事だと言っていました。
「エロい」というのは、スケベなものということではなくて「艶」なのかも知れませんが、
なんとなく言わんとしていることは理解できたように思います。
今、手伝っている自習室や、今後自分がやろうとしていることについて、
SNSを活用しなくてはならないと思うのですが、そのやり方がどうもしっくり来ていませんでした。
いいヒントをもらったので、早速試して行きたいと思います。

 

朋有り遠方より来る。
論語の一節であるこの言葉は、
「多くの出会いがあっても、趣味が一致しているとか、同じ志で生きている人と出合うチャンスは稀であり、折角出合いがあっても、いろいろの事情で、遠隔の地に住まなければならないことも少なくない。遠い場所から訪ねて来た親友と久しぶりに近況を報告し合ったり、意見を交換したりするのは、人生の大きな楽しみであると同時に、人生そのものを豊かなものにするものだ。」
という教えです。

 

彼のおかげで、そのありがたみに改めて気づかされました。
来年は、多くの人に会い、楽しみと豊かさを手に入れていくことを
ひとつの愉しみにしていきたいと思います。