Flaneur-フラヌール-

50代からのSecond Life

鏡の法則

12年前、会社を辞め

独立した後輩がいます。

 

その頃の私たちは

いろんな企画をして

自分たちで営業して

その成果を讃えあいました。

歳下ですが、しっかりして

とても明るくていいやつです。

 

よくいっしょに昼飯を食べに行きました。

会社の近くの定食屋で話をしながら食べました。

いつしか彼は独立の夢を語り始めました。

同じ会社の私に言えば

話しが広まってしまうかも知れないのに。

でも、私は誰にも言わず

頼もしい仲間が一人いなくなってしまうのではないかという

寂しさを感じながらも

彼の夢を応援してあげたいと思うようになりました。

 

あれから12年が過ぎて

彼は立派な起業家になり忙しく活動しています。

そんな彼が最近の私を心配してくれて

ある勉強会に誘ってくれました。

 

昨日の夜、地元の経営者が集まる定例会です。

皆んな熱心で

それでいて、成功も失敗も包みかくさず

そしてお互いをリスペクトしている雰囲気があって

とてもいい勉強会でした。

 

その勉強会の中盤

はじめて参加する私は

皆さんの前で彼から紹介を受けました。

彼の紹介はとても雄弁で

私との思い出を交えながらユーモアにあふれ

会場がとても和やかになりました。

対照的に、人前で話をするのが苦手で、あがり症な私は

何を話そうか考えて臨んでみたものの

やっぱり後半ボロボロになってしまいました。

 

彼が私の紹介の時に

12年前のことを話しました。

それは、「鏡の法則」という1冊の本のことでした。

 

その日、「いい本がありましたよ。読んでみてください」と言って

彼はいつものように私を昼飯に誘いました。

 

定食屋で注文を済ませ

差し出された本は、100ページにも満たない薄い本です。

しかも、後半は解説になっていて

前半には、ある主婦のエピソードが綴られているだけです。

その前半部分を定食が来るまでの間に読みました。

イジメを受けている子どもを思い悩む主婦

なんとか解決を望む主婦が

とある経営コンサルタントと電話でやり取りするだけの

ショートストーリーです。

日常のどこにでもあるようなお話しでしたが

大の大人の私は、こともあろうに

定食屋で号泣してしまったのです。

 

ちょうど、その日の勉強会の第1部のテーマは

「人は鏡、万象はわが師」でした。

彼は本の中身までは語りませんでしたが

定食屋で号泣した私を「感受性の豊かな人」と紹介してくれました。

 

私は、挨拶の後半は

彼が心配してくれてこの場に引っ張りだしてくれたこと

その感謝の気持ちを言うつもりだったのですが

前述のようにしどろもどろになって

中途半端に挨拶をしめてしまいました。

 

勉強会はとても有意義で

皆さんと挨拶をし声をかけていただきました。

帰り道、心の中で彼に感謝しました。

 

12年前、彼に教えてもらった「鏡の法則

本棚から引っ張り出してきて読み返してみました。

読み進めるうちに、また涙がこぼれてしまいました。

 

本の中には、「ゆるす」ということを

思うだけではなく、実際の行動として起こすこと

そして、現状は変えていけるということが

わかりやすく書かれています。

 

「あなたの人生の現実は

あなたの心が映し出した鏡」

 

身の周りで起こっていることは

自分さえも忘れてしまうような

ほんの小さな思いを映し出しているのだそうです。

読み返すと、ふとよみがえります。

もうどうしようもないこと

でも、ずっと心に引っかかっていること

 

私は今、幸せなんだろうか?

満たされないものがあるとすれば

恐らく、12年前、感動してわかったように感じていたのですが

具体的なレッスンが足りなかったのかも知れません。

 

彼にも多くの悩みがありました。

それを乗り越えて、今があります。

学びを現実に変えていく強さがあります。

 

どんなに苦しくても旅立つ勇気

そして、時を経て、手にするものの大きさ

それはきっと歩いた者にしかわからない夢という名の道なのでしょう。

 

本日も日々の備忘録のようなブログに

おつきあいいただき、ありがとうございます。