Flaneur-フラヌール-

50代からのSecond Life

Forgiveness

自分の悩みは

「人をゆるせない」

ということでした。

とは言っても、それほど人のことを嫌いになるわけではないし

どちらかというと、人に対してはやさしい方だと思います。

 

でも、一度でも、その人の嫌なところを見てしまうと

その人と距離を置いてしまいます。

だからと言って、ものすごく、嫌いなわけでもなく

意思表示をすることはないので誰も傷つけることもないのですが

ただただ、自分の世界に閉じこもり

それでいいと思ってしまうのです。

そして、今まで一度引いてしまったその線引きは

二度と変わることはありませんでした。

 

けれども、長く生きていると

本当に心をゆるせる空間は

とても狭い世界になってしまっていました。

 

先日、12年前に出会った「鏡の法則」という本を読み返したのですが

物語の最後に、経営コンサルタントの矢口さんが

主婦の秋山さんに、ファックスを送ります。

 

12年前は、ファックスの中身まではあまり気にしていませんでした。

 

苦難を乗り越えた秋山さんへのあたたかい言葉とともに

数冊の本を紹介しています。

 

その中で、精神医学者、ジェラルド・G・ジャンポルスキーが著した

「ゆるすということ」という本が紹介されていて

気になりました。

 

翌日、本屋で探してみたところ

それほど厚くない文庫本を見つけました。

2006年6月に初版が発刊され

2018年4月に29刷となっていましたので

相当多くの人々に読まれてきたようです。

 

その本のとなりに、もう一冊、同じ著者の

「愛とは、怖れを手ばなすこと」という本がありました。

手にとってみると

表紙に、「29か国で400万部突破のベストセラーが、新訳で登場!」

と記されています。

 

どちらも聞いたこともなかったのに

これほどの人が読んでいるという驚きで

迷わず購入して帰りました。

 

序文にこう書かれていました。

「この本がどのようにあなたの手元に届いたのかは

あなたしか知りません。しかし、私は断言します。

あなたがこの本を手にしているのは、偶然ではないと。

この本は、まちがいなく神があなたに届けてくださったものです。

それが神のやり方なのです。

たとえば、あなたが何かに悩んで答えや助けを求め

宇宙に呼びかけたとします。

そんなとき、神はあなたに知ってほしいことを

こんなかたちで伝えてきます。」

 

その言葉に吸い込まれるように

2冊を一気に読んでしまいました。

かなり平易な言葉で書かれているので

ともすると、大事なことを見逃してしまうかも知れません。

 

冒頭に書いた私の悩みは

「ゆるさないということ」として

「エゴ」と表現されていました。

 

そして、

「ゆるさないという思いは、心に穴を開ける」とも。

 

このような悩みがなぜつきまとうのだろうかと考えたとき

私の場合

両親のことがモヤモヤ浮かんできます。

 

3人兄弟の真ん中で

一人だけ幼稚園にも行かせてもらえなかった私は

幼い頃、一人で家にいたようです。

周りは、田んぼだらけで

近所に同じ年頃の子どももおらず

誰かと遊んだという記憶もほとんどありません。

 

小学校になった頃に漫画が描きたくなって

漫画雑誌に応募しようと試み

ケント紙に鉛筆で下書きをして

インクで一生懸命に描いたのですが

親父にそれを見てもらったところ

「どこかで見たような漫画だな」と言われて

思いっきりがっかりした覚えがあります。

 

だからと言って、ひねくれたり恨んだり

親が嫌いになったということもないのですが

大人になってからも思い出す度

なんとなく寂しいような、そんな気持ちになります。

 

なんでなんだろうな?

なんで幼稚園に行かせてくれなかったのかな、とか

絵やストーリーがイマイチでも

なんで「よく描いたな」とか言ってくれなかったのかな、とか

どこかでゆるせない気持ちがあるのでしょうね。

 

長い人生の中で、時々、何かがチグハグに感じることがあるので

私の「人をゆるせない」という思いが関係しているのだと思います。

 

2冊目の「愛とは、怖れを手ばなすこと」には

よりよく生きるための12のレッスンとその進め方が記されています。

 

名刺サイズのカードを12枚作って持ち歩き

毎日、1レッスン、ひとつずつやってみることにしました。

朝、瞑想するとき、心の中で思い

眠るときに、一日を振り還るようにします。

 

今にしてみると子どもの頃のことも

家が貧しくて仕方なかったんだよな、とか

親だって完璧な人間じゃないし

ちょっと口を滑らせることもあるよな、とか思うのですが

それにもまして

何ものにもとらわれない

安らかな心に向き合えるとしたら

それはとても素敵なことだと思うのです。

 

もしも、強烈な記憶ではないんだけれども

なんとなく心に引っかかってしまうようなことがある人がいたら

もしくはひどく傷つく出来事があって

それがもとで足踏みをしてしまうことがあったとしたら

そんな人に

いつかこんな本に出会ってほしいな、と思います。

 

本日も日々の備忘録のようなブログに

おつきあいいただき、ありがとうございます。