Flaneur-フラヌール-

50代からのSecond Life

年老いたお医者さんに助けられて

25年程前に転勤のため

群馬県の前橋に住んでいました。

結婚して、初めての子どもを授かりました。

女の子です。

 

仕事が忙しくて

子育ては妻に任せっきりになっていましたが

休みの日に子どもと過ごす時間は

とても楽しみなものでした。

 

生まれて半年ぐらいして

熱を出してしまい

こじらせる前にと

近所の個人病院に行きました。

 

そこはかなり歳をとったおじいさん先生でした。

でも長年医者をやってきただけあって

丁寧に診てもらうことができました。

「熱が下がらないようだったらまた来なさい」と言われ

帰宅して様子をみました。

 

でも夜になっても熱は下がりませんでした。

娘は苦しそうで寝付くこともできなかったので

その晩は、ソファに座って一晩中、抱っこしていました。

娘の呼吸に合わせて呼吸をすると

不思議と安心して少し眠ってくれました。

 

けれども、朝になっても熱は下がらず

怖くなってきて、妻とまた近所の病院に行ってみることにしました。

その日は休みだったようなのですが

電話を入れると

おじいさんのお医者さんは病院を開けて待っていてくれました。

 

診察室で診てもらっていたとき

お医者さんが「ん!」と声を上げました。

すると「これは風邪じゃない、紹介状を書くから、すぐ赤十字病院へ行くように」

 

慌てて、紹介状を持って赤十字病院へ行ったところ

川崎病という診断を受けました。

 

今はあまり騒がれていませんが

原因不明の病気で

なぜか子どもがかかります。

風邪に似た症状が出ることから

気がつかないでしまうこともあるようですが

心臓の血管がつまって突然なくなってしまうこともあるという病気です。

 

すぐ入院して、しばらくは大変でしたが

1カ月ぐらいで退院することができました。

10年間は定期的に専門の病院で診てもらわなくてはなりませんでしたが

かかさず毎年病院に行って、完治したという診断をもらうことができました。

おかげさまで、その後は問題なく元気に過ごしています。

 

あの時、あのおじいさんのお医者さんが

きちんと診てくれたおかげで助かりました。

もしも何かの拍子に見過ぎされていたら・・・

想像すると怖くなります。

 

最近、セカンドオピニオンということが言われます。

原因がわからず病院に通っても治らず

薬だけ飲む毎日みたいになってしまっている人もいるようです。

 

ひとり一人の患者を診てくれる

そのような人に出会えるのはとてもラッキーなことでした。

おじいさん、本当にありがとうございました。

 

そしてもうひとつ、やむにやまれる状況もありますが

こんな風に、急に病気で入院とかあると

仕事している自分以上に

病院で付き添っている妻が本当に気の毒で

やはり近くに親や兄弟とか身内が居てくれた方がいいなとも思ったものでした。

 

もう25年も経ってしまっていて

もしかすると、あのおじいさんのお医者さんは

この世にいないのかも知れません。

 

でも、今日のように、ふとした時に思い出します。

感謝の気持ちといっしょに。

 

本日も日々の備忘録のようなブログに

おつきあいいただき、ありがとうございます。